電車で物を食べている人をジロジロ見ない日本人

551宝来の豚まん

 

子どもの頃、電車の中で物を食べることに対して、とても厳しく言われました。公共の乗り物の中で食べてはいけません、と。実際にはしていました。小学校も高学年になると、塾に通い始めて、その行き帰りなどにお菓子やジュースを食べたり飲んだりしていました。でも、「買い食いはいけません!」と禁じられていた分、そのコッソリ感が気持ち良かったのです。

 

大人になった今でも、なんとなく公共の乗り物の中で物を食べるのは、はばかられます。やらないこともないですが、なんだか悪いことしているような気分になるのです。しかし、なぜダメなのかが、いまいち分かりません。出発点が、親がそう言ったから、ということでしかなくて、なぜダメなのかがやっぱりピンときません。

 

新幹線に乗っていて、551の豚まん(関東では肉まんと言うのかな)を食べ始められたら、おいおい勘弁してくれよ、とは思います。なので、自分もあまり匂いのするものはやめておこうと考えます。しかし、新幹線では、お弁当を売っていて、中で食べていいことになっていますので、551の豚まんを食べようが、マックフライポテトを食べようが、別にルール違反ではありませんよね。

 

そうなると、このダメだと思う気持ちは、匂いや音が周りに及ぼす影響に対しての気遣いなのでしょうか。外国に行くと、電車の中で思いっきりサンドイッチを食べていたり、大きな声で携帯電話で話をしていたり、という国も多々あります。ということは、このような周りに対する配慮というのは、日本独特のものなのでしょうか。

 

***

 

そういえば、スイスから日本にやって来たステファンがおもしろいことを言ってました。

「新幹線や電車での移動中、いつもぼくたちはお弁当を食べてたんだけど、そんなときスイスでは、みんながジロジロと見てくるけど、日本ではあまりみんなが見てこない。・・・と思って、窓の方を見たら、こちらを見ている人と目が合うんだよ」って。

日本の人は、じかにジロジロ見ない代わりに、窓に写してジロジロみているみたいです。直接見ないという配慮の一貫ですね。(^^; 確かに直接は見ないかな。でもステファンにはバレていたようです。