明石ではたこ焼きではなくて、玉子焼きと注文しましょう。

明石の玉子焼き

 

自分は神戸で育ちましたので、神戸出身と思っています。が、神戸と言っても結構西のほうで、明石というところに近いエリアです。近いだけではなく、ぼくの母は明石の出身でしたので、幼少の頃はよく明石駅界隈に連れて行ってもらってました。

 

幼稚園くらいのときから、明石の「お好み焼き道場」というお店に出入りしていました。自分で焼かねばならないタイプの店でしたので、いつも母が目の前で作ってくれていました。そのおかげで、今でも正確なやり方でお好み焼きを焼くことができますので、わいはそこいらの観光客とはちゃうで、という態度で焼くことができます。心配そうに見回りに来るお店のおばちゃんも、ああこの人はわかってはる人やわ、と安堵の表情を浮かべて、去っていきます。

 

dojo

 

自分で焼くシステムだからといって、絶対に自分で焼かなければならないわけではありません。よく分からない場合、お店の人にお願いすれば、目の前で作ってくれますので、無理せずにお願いするとよいでしょう。また、大阪で言う「たこ焼き」は明石では「玉子焼き」と言います。「明石焼き」でもありません。お店の人は「なべ」と呼んでいますが、それはお店側の人が使う用語ですので、格好つけて「なべ1枚ください」なんて無粋なことはやめましょう。お勘定のときに「おあいそして」なんてお店側の用語で言ってしまう阿呆な客と同じ状態になってしまいます。

 

明石の玉子焼きで特徴的なのは、その食べ方です。玉子焼き自体にもダシが効いていて美味しいのですが、それをさらにダシ汁につけて食べます。ソースなんてぬりません。そして、ここが重要なところなのですが、ダシ汁が冷たいのです。明石焼きを謳っていても、ダシ汁が温かいお店も多数存在します。しかし、本物は冷たいダシ汁です。すき焼きのときの溶き卵のように、温かいものを冷たい汁につけて冷ましながら食べる、というのがポイントなのです。

 

明石の玉子焼きを食べられるなら、ぜひ冷たい汁のお店で!