「その心入れがお茶よ」
米寿を迎えた先生が時折そうおっしゃいます。
あからさまにもてなしてまっせ!みたいなものではなくて、ともすれば客人は見逃してしまうかもしれないような配慮が茶の席ではなされていることが多くあります。そういうこと面倒だな、と思うところもありますが、茶の湯における美の追究は、そこにあるのだと感じます。
朝一番に茶道のお稽古場へ到着した日のこと。
茶室の脇にある水屋(お茶を提供する側のキッチンです)を見ましたら、写真のように道具が整然と並んでいました。もちろん、この他にも床の掛け軸やお花、棚などの道具、美しく折りたたみ、水に浸された茶巾など、が準備されています。このお稽古場の準備は88歳を迎えた今でも先生がご自身でされています。しかも、いつもとても楽しそうです。
「お・も・て・な・し」と聞いて、何から手をつけていいやらよく分からないし、どう解釈していいのかもむつかしいけれど、「こ・こ・ろ・い・れ」ならなんだかやって行けそうなので、まずはいろいろなことに心を入れていきたいと思ってます。