ぼくたちには海がある。地球の恐怖を感じる。

 

jensとぼく

 

広大なアメリカの大地を目前にすると、その日本にはない光景に感動します。地平線であったり、むき出しの地球とでも言いましょうか、アメリカ南西部にあるようなあの風景に圧倒されます。

 

グランドキャニオンなどに行きましても、落ちたら死ぬだろうね、という単純なことを通り越して、それ以上の得体の知れない地球そのものを感じることになります。こういう体験ができるアメリカって良いよなぁ、と思います。

 

しかし、最近海を眺めていて思いました。ぼくたちには海があるじゃないか、と。

 

地平線は見えなくとも、水平線を見ることができます。海の底はどこまでも深く、その先には得体の知れない地球そのものがあります。アメリカ南西部の荒野って何もなくてうらやましい、なんて考えていましたが、海だって同じです。何にもない海を眺めていると、荒野で感じたものが腹の底からこみ上げてきます。

 

結局のところ、宇宙空間という真っ暗な中に地球という大きな球体が浮かんでいて、重力があり、その上にぼくたちは暮らしているのだ、ということを何をきっかけに感じるのか、ということです。荒野を眺めて、そんなことを考えておりましたが、いやいやぼくたちの周りにあるこの海原でだって充分にそのことを考えることができる、と気づいて、うれしくなり、また海を眺めているのです。