5年前の2016年5月にブラジリアン柔術の試合で目を怪我して、網膜剥離と診断されました。硝子体手術というものを行い、治療は成功しました。硝子体手術をするといずれ白内障を発症してしまうので、先に水晶体を取り除き、人工レンズを入れる手術も行いました。歳をとった人がやっている白内障手術というものをついでにした感じです。
硝子体手術というのは、目の奥にある網膜にレーザーを当てて網膜が剥離、裂孔している部分を修復する手術です。目玉の中にガスを注入して、しばらくそのガスの浮力を使って網膜の裂孔を押さえておく、ということをします。つまり、手術後しばらくはずっと下を向いた状態か横たわった状態(ぼくはこっちでした)でいなければなりません。なかなかつらかったです。
ガスが入っている間は、そのガスが見えます。徐々に減っていくのもわかります。目玉が半分湯船に浸かっているような気分でした。
そんな大怪我をしたのに、またブラジリアン柔術を続けています。そのくらいブラジリアン柔術が楽しいということに尽きます。で、眼内レンズですが、これは単焦点レンズです。ピントを合わせる機能がないのです。なので、メガネ制作ラッシュが始まりました。近く用、遠く用と最低は2本メガネが必要です。そして、まぶしさにも弱くなります。なぜ、お年を召した方々が妙な色眼鏡をかけているのか、が理解できました。白内障気味で眩しいのでしょう。
しばらく調子良かったのですが、1年前くらいから手術した方の目がぼやけてきました。おいおい、また網膜剥離ちゃうやろな、あの手術もう一回はぜったい嫌やで、と思っていました。硝子体手術は、まず、目の下あたりに注射で麻酔を打たれます。これが人生2番目に痛かったです。そして、目の前が黒いマーブルになっていき、見えなくなります。見えなくなるのが正解か不正解かすら、そのときはわかりません。大変焦りました。その後2時間くらい、意識あるまま目玉の中をガチャガチャとされるわけです。いま地震起こったらわいはどうなるんやろか、とよく分からないJ-POPのBGMを聞かされながら手術されていました。あれは困る。
で、かかりつけの眼科へ行き、目の状態を診てもらったら、「後発白内障」と診断されました。白内障手術を受けて、眼内レンズを装着した人の10~20%くらいの人が発症してしまうそうです。これがだんだんと進行していきます。白い画面なんて見ていられないので、パソコンもスマートフォンもすべてダークモードにしました。ダークモードのある世の中で良かった。最高!しかし、進行するばかりで、勝手には治りません。ということで、先日、先生と相談し、後発白内障のレーザー手術を行ってもらいました。
あのおぞましい硝子体手術とは比べ物にならないくらい余裕の手術です。いや、先生にとっては難しいかもしれないですね。受ける側の心持ちとして、余裕があるというはなしです。点眼の麻酔をして、まばたきできないように器具をあて、そこにレーザーを照射してもらいます。ものの5分ほどです。直後、手術したほうの視野には吹き飛ばした細胞のカスが浮遊しているのが見えます。しかし、白内障は解消されていて、とてもクリアです。ゴミやチリなんて気にならないぜ!(しかも、このゴミやチリは3日ほどで消えます)
状態をみるので手術の翌日にも来てください、ということでしたので、連日眼科へ参りました。
視力も矯正して1.2まで見えているし、なかなか良好でした。先生はぼくの目を望遠鏡のような器具で覗きながら、ああ、ゴミが飛んでますね~、とおっしゃいました。そこで、ぼくは、ええ、まるで味付け海苔の破片みたいなものが飛んでますけど、モヤに比べれば、まったく問題ではありません!と申しました。見えるってすばらしい!
あはははは、と先生は笑っておられました。
ぼくが待っていたのは、「味付け関係あらへんがな!」だったのですが、それは関西人の悲しい性なのでしょう。ここは神奈川でした。
阿呆言うてやんと寝よ。
アルコールの含まれないこれは目の周りを拭うのに重宝しました!