茶道の許状って運転免許証とはまったく違う

許状

 

ぼくは裏千家に入門してます。裏千家では、お家元から「許状」というものをいただけます。筆文字で書かれた許状なんてものを手にすると、なんだか北斗神拳でも伝承してもらったような気分です。

 

許状の申請は、自分の習っている先生を通じて、お家元にお願いをします。そして、裏千家の許状には、明確に初級、中級、上級などの段階があり、それぞれに申請するための金額も決まっています。公開されていますので、「いくらかかるのか分からない、こわい」なんてことはありません。案外クリアなのです。

 

この許状というものは、運転免許証のように、ある段階までのお点前ができるようになったらもらえるというものではありません。昇段試験があるわけでもありません。「次のお点前の稽古をつけてもらえるお許し」をもらうのです。中級を申請し、中級の許状を手にしてから、ようやく中級のお点前を教えてもらえる、という感じです。そこが運転できるようになったらもらえる運転免許証とは違うところです。

 

奥のお点前があるということを書きましたが、ぼくの行っているお稽古場でも、実際に奥のお点前の「お許し」をもらっている人だけが閉め切った部屋で、お稽古をつけてもらったりしていたそうです。今は少しゆるくなっていて、初心者でも見学できますが、見てしまうと混乱するので、その段階になければやはり見ないほうがいい、と感じています。

 

本に記されないものを口伝で教えてもらうのは、茶道のとてもおもしろい部分なのです。