茶道は日本文化の総合格闘技みたいなところがあって、いろいろ楽しめます。和室、和装、お香、お花、書、茶碗などの道具、器、焼物などなどです。飽きっぽいぼくには最高のもので、一つに飽きてキョロキョロしていると、結果茶道というものに飽きないことになっています。
この中で、お花がとくに苦手です。苦手というか興味も持ちにくい。どこから切り込んだら良いのか、も分かりません。床に飾ってある花を愛でて、はぁ、と感動のため息をつきたいものですが、なかなか心動きません。
それでもこの4月初旬という季節、新幹線に乗って、流れる車窓の風景をぼんやり眺めておりましたら、花をつけた桜の木がたくさん目に止まりました。日本列島は案外長いので、関東から関西に行くだけでも、いろんな状態の桜を見ることができました。ちょうど満開の所もあれば、随分と葉が目立ってきた所もありました。
いくら花や木が分からないぼくでも、桜の木は分かります。山の中からその存在をもさっと主張している桜や川の両側に植えられた満開の桜並木を見ていると、その周辺に住む人たちの笑顔が浮かんできます。
もう桜は見られないかも、と医者に余命を宣告されたぼくの母は、それから2回は桜を見ることができました。そして、花に詳しかった母は、まずは草なのか木なのかを知りなさい、とよく言ってました。
その辺りを手がかりに、もうちょっとマシになれるように、お花のこと勉強したいと思います。