書道。アンドゥできる世界からの脱出

お手本

 

20年位前からずっとアドビのソフトを使って仕事をしています。アンドゥ(やり直し)機能があり、相当前の作業まで戻すことができます。一度与えられてしまったこのような機能は、もうなしではやっていけません。日々、この恩恵に預かっていることは確かです。大変助かっております。

 

学生のころ、テトリスに夢中になった時期がありました。これをやり過ぎると、街中でビルを眺めながら、どの形をはめたろかな、なんてイメージトレーニングができるようになってきます。このことと同じで、仕事でアンドゥしすぎると、現実でも「あ、しまった」というときに、アンドゥしなきゃ、って思考になることがあります。そんなことに陥ったときに、こんなアンドゥな世界はいやだ、と強く感じました。

 

そして、書道を習いに行こうと考えたのです。

 

門を叩いたのは「浪速書道会」という会でした。運良く、会長の作田英嗣先生に直接ご指導をいただけました。この会では立って書きます、それに基本的には褒めて伸ばしてくれます。小学生のときにこんな書道に出会っていたら、もっと楽しく書道に取り組んでいたのだろうな、と感じました。大人になってからでも、この出会いは特別なものでした。そして、アンドゥの利かない一筆への集中は、まさにぼくの求めていたものでした。アンドゥなき世界へやってきたのです。

 

今は住まいを移したこともあり、教室には通っていません。でも、作田先生に学んだ5年はぼくにとって、いつまでも大切なものです。

 

作田先生は、とても謙虚で、かつ好奇心の旺盛な方でした。偉い先生という雰囲気を消していつも接してくださいました。そして、一度hot buttered poolのライブにも来ていただいたことがあります。そのときのことが、光栄にも先生のウェブサイトに記載されています。

 

2007.11●『何事も経験』●

先日、私の門人の一人がヘビメタのライブショーをするというので聴きに行った。

ライブハウスに入ってその音量のデカさにビックリ!

歌手は思い切り何やら叫んでいる。
聴衆どうしで話なんかまったく出来ない。
一つのグループが終わってお目当てのグループの演奏が始まった。

やはり凄い音量。

彼が歌っているのだがやっぱり思い切り叫んでいる!

しかし、じっーと聴いているうちに
前のグループより彼らのほうが演奏は上手く、
彼の歌のほうが音楽性があるので…と思いだした。

※ なにごとも気嫌いせずに経験する事も必要だと思った次第。
※ 凄い音量、音声の中でも違いが解かったことで。

http://www.eishisakuta.com/column/index.html

 

先生、ヘビメタではありません、と説明しても訂正されることはございませんでした。いえ、ヘビメタでもいいです。(^^

 

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残念ながら、作田先生は、2010年にお亡くなりになりました。
先生に書いていただいたお手本は、ぼくの宝物として、大切に保管しています。