そこそこ良い物が簡単にできる世の中

お昼にナポリタンスパゲティをこしらえました。

お腹いっぱいナポリタンスパゲティを食べたい、と思って、それを自分で食べたいだけ作ることができるようになったのは、人類にとっては小さな一歩だけど、ぼくにとっては大きな飛躍です。

料理をするようになったのはここ10年のことで、それまでは、全くと言って良いほどに取り組んできませんでした。20代のとき、ひとり暮らしを始めるにあたって調理器具を買いそろえ、料理の鉄人を倒すべく、ひとり暮らし第一作目である焼飯を作ってみたところ、これまで食べた焼飯のなかで2番目に不味いものを作ってしまい、自分の才能の無さに愕然といたしました。さて、それ以来料理からは遠ざかっておりました。

最近は、インターネットの普及によって知識や技術を共有することが容易になりました。そこそこ美味しいものを、ど素人のぼくでもこしらえることができます。文明に感謝しきりです。

音楽を作るという行為においても同様の現象が起きているように感じられます。インターネットのおかげで、聴いてそこそこ楽しいものを作りやすくなったと思います。しかし細部が重要であり、経験からなる勘のような感覚が生きてこそ、本当に良い音楽は出来上がるのでしょう。しかし、多くの人が求めるものはそこそこであり、細部への気配りなどはどうでもよく、そこそこ楽しめたり、そこそこ役に立てば「よい音楽」なのです。大衆音楽、商業音楽とはそういうものでしょう。

このようなことは、昔は良かったという話ではなくて、なんでもそうですが、昔が良いこともあれば、現在や未来が良いこともあるわけです。どれかに執着するのがよろしくないだけです。ぼくのいとこが、ナビがないと運転ができない、と言ってました。実際そのような人は増えているでしょう。地図を覚えておく必要がなくなったのは良いところでもあり、悪いところでもあります。ウェブの検索エンジンもしかり。

ナポリタンスパゲティを作る際、これまでは、最後にケチャップやらソースやらを回しがけして作っておりました。が、最近ウェブで見たレシピを参考に、ケチャップ、ソース、砂糖などを事前に混ぜ合わせ、一旦それを煮詰めてから、そこへあらかじめ炒めてあった野菜を戻し、最後に茹でた麺を絡めると大変コクのある味になりました。

ナポリタンスパゲティは回しがけするな!煮詰めてから和えろ!

が、本日の学びでした。大きな飛躍でした。

阿呆言うてやんと寝よ。