2013年に両国国技館に本場所を観に行きました。地方巡業を観に行ったことはあったのですが、本場所はこれが最初でした。それ以来、にわかに大相撲のファンになっています。
これまでもプロレスや格闘技を好きでよく観てきました。しかし、相撲への気持ちは格闘技としての興味ということではないように感じています。ではどこに惹かれたのかというと、日本文化が凝縮されている部分です。つまり様式とか儀式とかそういうところをひっくるめて魅力的に感じています。
そうすると、本屋さんをぶらりとしていても、いつのまにか相撲コーナーに足が向きます。ひいきの舛ノ山の本を見つけたり、白鵬の「相撲よ!」なんて本を見つけたりして、にやにやしておりました。そのとき1冊の本のタイトルが目を引きました。「力士はなぜ四股を踏むのか?」です。おお、確かになぜと言われても分からない。下半身強化には良さそうだけど、どうして相撲だけ四股なんだ?と。
本を手にして中身を確認すると、相撲の歴史であるとか様式についての文章が沢山ありました。これはちょうどええわ、と、結局この本を買いました。
なぜ四股を踏むのか、ということについては、神道や農業、土俗信仰に基いているそうです。
その神聖な土俵の上で、人間の中でも人並みはずれた醜い(強く頑丈な)男が力強く両足で大地を踏みしめ、土の中にいる悪霊を「地上に出てくるな。ずっと土の中でおとなしくしていろ」と鎮める。実はこの行為が四股なのです。
とあります。ここ読むだけでもワクワクします。
この本では、なぜ髷を結っているのか、なぜ塩をまくのか、土俵入りの意味、土俵に埋まっているものなどについても解説があります。もちろん文化的側面だけではなく、日々どんな稽古をしているのか、とか懸賞金の仕組みとか、そういったことも盛りだくさんです。
相撲ファンになりたてのぼくにはぴったりの本でした。相撲ってよく分からないけど、日本文化については興味がある、という人にもおもしろい内容だと思うので、おすすめです。
日本文化が凝縮されているからこそ、いまぼくは茶道の世界にもどっぷり浸かっています。そんなぼくが大相撲に興味を持ってしまうのはとても自然なことのように思えます。ついでにリーゼントとの関係も見出そうと、お相撲さんが髪を結うときに使っている「鬢付け油(びんづけあぶら)」でリーゼントのセットを、と考えて調べてみましたが、相当落ちにくいそうなので断念しました。(^_^;