休日になると、近所の広場にカメラ持った人だかりができます。どうやらその場所では、通過する電車をよい角度で撮影できるようで、脚立や三脚なども用意して、やって来る特別な車両を待っているようです。いわゆる「撮り鉄」という方たちだと思われます。
鉄道には、一度も興味を持ったことがないのですが、このように鉄道マニアの方々が集まるほどの車両であれば、ぜひ自分もひと目見てみたいと思ってしまいます。歩みを止めて、しばらく電車が来るのを遠目に待ってみます。ちょうど踏切も鳴り始めました。
向こうから電車の音が近づいてきます。お、いよいよか。どのような特別な電車が通過するのだろうか。シャー、ガタンガタンガタンガタン。目の前を通過するのは、いつも見ている、いや乗っている、普通の普通電車です。ぜんぜん特別ちゃうやん!ほけーっと広場で待った時間返してえや!とは言いません。が、あほらし、と吐き捨てて家路に戻ります。
しっかり調べて、場所を確認して、そのように準備をした者にのみ、至福の時間は訪れるものです。一丁ついでにええ思いしたろか、という浅はかな人間の願望はうまく行かなくて当然ですね。
同じようなことが海辺や川辺などでも起こります。釣人に何釣れまんのと言わんばかりにしばらくへばり付いたところで、めったに魚が釣れる瞬間などにお目にかかることはできないものです。準備や待ち時間、いろいろあっての釣りの愉しみ。
しっかり準備しても、うまく行かないことはあるけれど、準備も楽しいよね。
阿呆言うてやんと寝よ。