お盆。かつて祖父と祖母に連れられて歩いていた商店街を歩きました。寂れきっていて、シャッターが目立ちます。いつからやっているのだろうという感じのテーラーや喫茶店、履物屋などがなんとかという雰囲気で営業していました。
その中で、「よいこや」という名前のお店にずらりと手押し車の並んでいるのを見つけました。あの、おばあちゃんたちが押している手押し車です。あれはなんという名称なのだろう、と調べてみましたら、「シルバーカー」というそうです。「おばあちゃんの手押し車」のほうがいいなぁ。
そんなことはともかく。
お店の名称です。「よいこや」。これは明らかにおもちゃ屋だったはずです。よいこのための「よいこや」です。手押し車の置かれている棚には、そのむかし様々なおもちゃが並んでいたことでしょう。ぼくも祖父や祖母におねだりをして、こういう商店街のおもちゃ屋でおもちゃを買ってもらったものです。あれから数十年が経ち、おじいちゃんやおばあちゃんはさらにおじいちゃんやおばあちゃんになりました。おもちゃ屋さんだった「よいこや」は売り物を変え、いまでは「シルバーカー」屋さんになったのです。
これって顧客は、孫におもちゃを買ってあげていたおばあちゃんたちのままですよね。
出入りする顧客ニーズの変化に合わせた「よいこや」の経営に、これからの時代を生き残る方法を教えていただいたように思います。格好良いなぁ、よいこや。