ぼくはギターを弾くし、茶道も習っていますので、よく冗談めかして、「ギターのカッティングと茶筅(ちゃせん)の振りは同じ!だから双方に役立つんです」などと言います。しかしこれ、かなり本気なんです。
ギターのカッティングのコツは、まず、ピックを持っている(ぼくの場合)右手の手首の力を抜き、柔らかくしておきます。さらに手首だけを使うのではなくて、肘から下も使う感じで弾くと、あまり疲れず、良いカッティングを続けることができます。抹茶を点てるときの茶筅の振り方もまったく同じで、手首の力だけで振ると上手くいきません。肘から先も使うイメージで茶筅を振るのです。そうすると、楽に茶筅を振れるのに、うまくお茶が点ちます。
茶の湯の世界には、利休百首というものがあります。利休百首とは、千利休が茶道に関することを和歌の形にして百首詠んだもので、コツや決まり事、心得などがそこには表現されています。その中の一首にこんな句があります。
”茶を振るは手先をふると思ふなよ臂(ひじ)よりふれよそれが秘事なり“
千利休がすでにこう言ってたんですね。エレキギター界(?)なら、ジミ・ヘンドリックスがヒジヨリフレヨ!と言っているようなものでしょうか。
ギタリストの皆さん、あなたはきっとお茶点てるの上手ですよ!ぜひやってみてください!