Goodbye, Lou Reed

velvet underground story

 

訃報は大概そんなものだけど、やっぱり突然で、衝撃が大きい。

ルー・リードが亡くなりました。

 

小さい頃からニューヨークに憧れていて、あそこにはきっと何かあるぞ、と何の根拠もなく考えていました。ロックを好きになって、とりわけパンクロックなんかを聴き始めると、最初はUKパンクのファッショナブルなところをおもしろがったけど、ニューヨークパンクのもっと文学的なところに惹かれはじめて、そちらのほうを好きになっていきました。トム・ヴァーレインやパティ・スミス、リチャード・ヘルを聴き、さらにそのルーツを探っていくと、ルー・リードに行き当たるのです。

 

アンディ・ウォーホルがプロデュースしたこととバナナのジャケットで有名なベルベットアンダーグラウンドの1stアルバムは、1967年に出ています。1967年といえば、ビートルズが「サージェント・ペパーズ」を出した年で、モンタレー・ポップ・フェスティバルが行われたし、西海岸ではジェファーソン・エアプレインが「シュールリアリスティック・ピロー」を出しています。ヒッピーやフラワーやで、西海岸がピース!な感じだったこの年に、東海岸では、ベルベッツのようなバンドが出てきていた、というところにぼくはシビレました。

 

ソロになってからのルー・リードももちろん大好きで、リアルタイムに新譜を聴くことができることに幸せを感じていました。アンディ・ウォーホルを追悼した「ソングズ・フォー・ドレラ」は緊張感(up-tight!)と歴史を感じさせるライブ映像が最高ですし、「トランスフォーマー」「マジック・アンド・ロス」「ニューヨーク」「ベルリン」など、どれも話し出したら止まりません。

 

1曲を挙げるなら、「Heroin」です。

 

お酒もタバコもやらないぼくにもヘロイン中毒の焦燥感、恍惚感、倦怠感が感じられます。聴くたびにアレンジが変わってるんじゃないかと思えるようなピリッとしたライブ感あふれる演奏もすばらしい。

そして、何といっても「heroin it’s my life it’s my wife ha ha」と歌うところが相当好きです

このhahaというこのルー・リードの笑い声に救われ、魅了されてきました、これからもそうです。

 

ぼくが改めて言うまでもなく、ぼくたち(範囲が曖昧ですがあえて「ぼくたち」!)のやっている音楽は、ルー・リードが居なければ生まれていないものだと断言できます。

 

ありがとう。さようなら。

 

※上の写真は、いくら断捨離しても捨てられることもなく、デジタル化されることもない宝物の一冊です。