笑っていいとも!ってマクドナルドみたいなもの

笑っていいとも!最終回

 

高校生のころ、神戸に住んでいました。大学受験で東京までやってきたときは、とても不安な気持ちでおりました。一人旅なんて、ほとんどしたことがなかったし、言葉はみんな関東弁だし、とても塞ぎこんだ思い出があります。そんなとき、お昼ごはんを食べた蕎麦屋さんで観た「笑っていいとも!」にホッとしたことを覚えています。もちろん、普段そんなに熱心な視聴者ではございませんでした。それでも(本当は知らないのに)知っている顔を観て、なんだか安心を得ることができたのです。

 

寂しさを紛らわせるものとして、チェーン店の存在もあります。遠くに来たけれど、同じようにサービスを提供してくれるスターバックスでコーヒーを飲んだり、マクドナルドで食事したりして、なんと言いますか、一旦ギアをニュートラルに入れる感覚です。せっかくこんなところまで来たんだから、スタバじゃなくて、地元の珈琲店行こうよ、という気持ちももちろんあります。しかし、それは、こちらの心がどのような状態であるか、というところに大きく依存します。とにかく安心したいねんサプライズとか要らんねんというときは知っているところでの安息が欲しくなるものです。

 

「笑っていいとも!」が終わったというニュースを観て、今更ながら、チェーン店がどこに行っても同じようにサービスをすることの意味を考え、納得したのでした。

 

(さいわい?)東京の大学には落ちましたので、ぼくは上京することなく、実家から神戸の大学に通うことができました。あのころ上京してたら、しばらくは全国ネットのテレビとファストフード漬けだったかもしれません。