SOUND CITY を観て OMEGA SOUND を思い出す

 

アメリカに向かう飛行機の中で、「SOUND CITY」という映画を観ました。

ニール・ヤングやトム・ペティ、ガンズ・アンド・ローゼズ、ナイン・インチ・ネイルズ、

ラット、メタリカ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、そしてニルヴァーナといったバンドが

レコーディングを行ったというSOUND CITYというスタジオのドキュメンタリー映画で、

監督はフー・ファイターズのデイヴ・クロール。

 

1970年代初頭から始まったこのスタジオの歴史をひと通り知ることができます。

1990年代後半にはデジタルレコーディングの波がやってきて、

2011年には、とうとうSOUND CITYも営業をやめてしまいます。

しかし、デイヴ・クロールがSOUND CITYにあった伝説的な(そんな伝説知りませんでした・・)

「neve 8028」という大きなコンソールを買い上げ、

自分の新しいスタジオ「Studio 606」に組み込んで・・・という感じの内容です。

 

まさにアナログからデジタルの移行時期を通過してきたhot buttered pool にしてみたら、

感慨深く「うんうん、そうそう」とうなづかずにはいられない内容。

アメリカに着く前から、相当にロックンロールな気分になりました。

 

「SOUND CITY」の伝説は知りませんでしたが、

ぼくにとっては、「OMEGA SOUND」こそが伝説のレコーディング・スタジオです。

ここはレコーディング専門で、小谷さんというエンジニアがされていました。

スタジオの中には、たくさんのオープンリールの山があり、

想い出波止場やボアダムス、アルケミーの面々、

そして、ぼくの大好きな、ラフィアンズ、有といったバンドの名前が並んでいました。

こんなところで録音できるなんて!!!という気分でした。

 

hot buttered pool の1stアルバム「caroline」は、中津にあったOMEGA SOUNDで、

2ndアルバム「girl#9」のほとんどは、移転後の大きなOMEGA SOUNDで、

それぞれ録音しました。

 

1st「caroline」は、完全なアナログレコーディングで、オープンリールでの録音です。

トラックダウンが終わるまでは帰れない、というような意気込みで

毎回、お昼から夜中まで作業は続きました。

フェーダーも自動で動くわけはないので、そこにいる皆で、せーので動かしたりもします。

ボタンひとつで設定を呼び出せる現在のシステムと大きく違うところです。

 

そして出来上がったDATを六本木のマスタリングスタジオに持って行って、

半日かけて、マスタリングしました。

そこには、ヒグマのように大きなスピーカーがありました。

エンジニアさんが、「こんなスピーカーで聴くことは二度とないだろうから、

最後に聴いておきな」みないなことを言っていたことを覚えています。

(まぁ確かにあんなスピーカーで聴く機会は、今のところないです)

 

2nd「girl#9」ではいくらかデジタルが導入されていたように思いますが、

メディアは、ハードディスクではなく、オープンリールでした。

ProToolsも使ってません。

移転後のOMEGA SOUNDは、とても広くて、ドラムのブースもしっかり見えて、

(中津の時は、ドラマーの顔がかろうじて見えるかどうかという状態でした)

それはそれは、贅沢なつくりで、気持よく演奏させてもらえました。

 

本当に小谷さんにはお世話になりました。

3rd「茶人的猫 / zen cat」を作ろう、というときにお電話したら、

ちょうど、スタジオを閉めてしまったところなのでした。

 

デジタルレコーディングの波というのは、

結局誰でも簡単に家でできてしまう、ということでもあります。

その流れの中では、レコーディング専門スタジオやマスタリングスタジオ

はなくなっていきます。それはそういうもの、仕方ないです。

 

デジタルで得たものも多いけれど、失ったものも実感として少なからずあります。

過渡期を生きたバンドとして、少しは抗って、

さらに新しいものを作っていきたい、と強く思っています。

 

最後には個人的なことになってしまってあれですが、

大変遅くなって恐縮ですが、

あらためまして、

 

小谷さん、ありがとうございました!

 

※上の3枚のアルバムはすべて、こちらから音源ダウンロードできます。

 

 

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