現在とかどうでもよくなる。ドラマ「フリンジ」で表現されるパラレル宇宙。

レッドヴァインズ

 

アメリカのテレビドラマ「フリンジ」にハマりました。その理由は、時間とか空間とかが最終的なテーマとなっていったからです。シーズンが進んでいくごとに、そのテーマが色濃くなり、パラレルユニバースなるものが存在して、こっち側とあっち側に別の宇宙が進行している、というような状態になっていくのです。

 

映画バック・トゥ・ザ・フューチャーでは、過去の何かを変えてしまうと、てこをかけたように現在や未来が大きく変わってしまう、なんてことが起こります。それと同じように、フリンジでもどんどん世界が、未来が、過去が変わってしまします。過去現在未来という一直線な考え方で捉えられておらず、過去だって未来だって一瞬で変わってしまう、という考え方がフリンジにおいては新鮮でした。変わってしまう、というより、どの宇宙もどの瞬間も同時に存在している、という考え方のほうが近いかもしれません。

 

ですので、フリンジのお話が進んでいくにつれて、ドラマが進んでいる「現在」というものがどうでもよくなってきます。過去の話がこうだったからこうだ、ということがあまり意味をなさなくなってくるからです。いろいろな可能性がある、いや、いろいろな可能性がすべて存在している、というところに行き着きます。

 

それでも、フリンジはきっちりとオチをつけて終了します。それはとても美しく終わります。すべての謎や伏線が解決される終わり方ではありませんが、そんなものどうでもよくなる世界観なのです。

 

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ドラえもんでもタイムマシンがらみの、時間や空間をテーマにしたお話が好きです。こういうのって想像の世界かな、と思っていたら、そうでもないんですね。真面目に研究が進んでいます。2014年5月号のNewtonでは、「パラレル宇宙論」が特集です。さらに表紙に踊る文章がすごいです、「並行宇宙は無数に存在する!」ですって。

 

ぼくもあなたも無数に存在するんですよ。