観光ってサイズ感と匂いと感触

サグラダファミリア

 

駅前のビルがすごい勢いで出来上がってきました。更地だったところにビルがでんと建ったりして、たびたび感じることですが、人間ってすごい速度で建物を作れるんだ、と感心します。

 

建築中といえば、2013年秋に、バルセロナにあるサグラダファミリアを訪れました。2026年に完成予定のガウディが設計した有名な建築物です。

 

有名な観光スポットって、写真などで必ずと言っていいほど見たことがあるし、何だか「はい、これですよね」と確認しに行くみたいにも思えます。しかし、やっぱり行ってみるとそれだけには留まらず、いろいろな情報を受け取ることができます。そのとき重要となる要素がサイズ感と匂いと感触だと思うのです。

 

サイズ感は変化する

訪れたときのサイズ感って、行くたびに変わったりするので、おもしろい要素です。奈良の大仏様なんて、何度も訪れているのに、行くと「デカイなぁ、やっぱり」と毎回感じます。その逆で、思っていたより小さいな、とか狭いな、と感じるようなところもあります。このようなサイズ感はどうしてもその場へ行かないと得られない感覚なのではないでしょうか。自分の身体との比較によって場を捉えようとする人間の動物的能力の目覚めを感じます。

 

匂いの再現は困難

もう一つは匂いです。

技術の発達によって、ひょっとしたらサイズ感を仮想的に体験するようなことは、近い将来実現するかもしれません。しかし、この「匂いの再現」はまだまだ難しい問題だと思われます。匂いというものは、そのものからだけの匂いではなくて、混じるからでしょう。自然を歩いている時の、土と木々と動物の匂いが混じった感じなんて、再現したらしらじらしいものになりそうです。だからこそ、匂いを感じるということは、観光においてとても重要で、特に記憶に格納しておきたいものです。

 

感触は全身で

3つ目の感触については、何かを触るってことだけでなくて、その街や土地に流れている空気感も含まれます。湿っているとか乾いていると体感することも大切です。

 

abique

 

アメリカ南西部の荒野を歩いていると、足の裏にその感触を刻むことができました。むしろ足の裏で感触をつかむ癖が付いていたことを、帰国してから気づきました。おそらく穴があるんじゃないか、大きな石が転がっているんじゃないか、生き物が潜んでいるのではないか、という本能が呼び覚まされたのでしょう。アスファルトやコンクリートの上ばかりを歩いていてはいかんなぁ、と反省させられました。たまにでこぼこした土のうえを歩くと、平らなアスファルトの感触も楽しくなります。

 

ライブだってね、来てみないと分からないサイズ感と匂いと感触がありますよ!hot buttered pool のライブ、来てみてください。本能が覚醒するかもしれません。