ハグもキスもダメです。

1996年4月、ロンドンに1ヵ月滞在しました。初めての海外でした。
インターネットで知り合った人と、向こうで実際に会いました。彼らも音楽をしていて、そういう共通項がありましたので、すぐに打ち解けました。イギリスのパブの文化にもはじめて触れました。1人が1回、一緒に来た全員におごるシステムを知りました。5人でパブに行けば、5杯飲む勘定になります。とても合理的な割り勘です。ラグビー仲間でパブに集まったりすると大変だそうです。

昼は、彼らの家にお邪魔して、紅茶を飲みながらスタートレックを一緒に観たりして過ごしました。また、夜に会おうな、というときに皆がハグをして別れます。は?数時間後にまた会うやん、と思いましたが、郷に入れば郷に、ということでハグして大げさに別れました。これがイギリスの流儀であれば仕方ありません。しかし、ハグということに慣れていない上に、男女関係なくハグし合うということには抵抗を感じました。当時(今もそうだと思いますが一応)の日本では、相当特別な関係でもない限り、女性とハグし合うなどということはなかったからです。イギリス人も案外アメリカンなんやな、とアメリカに行ったこともない若者(ぼく)は思いました。

初めての海外を経験してからその後、さまざまな国へ行きました。アメリカの西海岸にも東海岸にも中西部にも行きました。そこでもまた、ハグとキス(頬をあわせる感じでするもの)、そして握手の文化と直面します。

ニューヨークのクオモ知事が辞任されました。セクハラ疑惑だそうです。そろそろアメリカもハグやキスの習慣を改めたほうが良いのではないでしょうか。セクハラの認定は、完全に主観です。客観的に判定できません。格好良い男性にハグされたらうれしくて、キモい男性にハグされたらセクハラ、という難しい判定基準です。こんな危険な判定ルールのもと、男女でハグをするのは、危険極まりないです。橋本聖子さんがハグとキスをしてけしからんと言われていましたが、本人たちが良ければ第三者が何か物申すことでもなかろうに、とも思います。第三者が認定する基準など、セクハラにおいてないに等しいでしょう。

もう、ハグもキスもやめて、少し頭を垂れて会釈、ということで良いのではないでしょうか。握手のかわりに使われている、肘をタッチする動作も意味不明で変です。目と目を合わせて、にっこりで良いでしょう。

阿呆言うてやんと寝よ。