初めて海外旅行に行ったのは、大変遅く、25歳になってからのことでした。大学を出てしばらくサラリーマンをしていましたので、休みが少なくて、どうして学生のときにお金を借りてでも海外旅行に行っておかなかったのか、と後悔したものでした。結局3年間勤めたのち、退職して、初めての海外ということになりました。
初めての海外ということで、とても緊張していました。パスポートをなくしてしまっては帰れなくなる、身分の証明もできなくなる、ということで、つねに首からぶら下げて、シャツの中に入れていました。いかなるときもそうでした。
数年経って、仕事で会社の人と海外に行った際、パスポートを首からぶら下げてシャツの中に入れておりましたら、大変バカにされました。ああ、そんなに緊張していることもないのかな、なんて思ったものです。
今では、さすがに首からぶら下げるようなことをしなくなりましたが、やはり海外に行く場合、とても緊張感を持って渡航します。本当は首からぶら下げるくらいでちょうど良いと今でも思っていますが、コピーを取っておくなどの知恵もつきました。(^^;)
なんといっても、自分が常に「ガイジン」である緊張感はとても価値のある体験です。
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そんな緊張感を和らげてくれるの旅行先で訪れる教会です。
ぼくはキリスト教徒でもなんでもないですが、教会の中に入るのが好きです。教会の静寂は日本の神社仏閣とはまた違う静けさです。自分自身の気持ちもお寺のお堂にいるときとは違うことが明確に分かります。
100%安全なわけではないでしょうが、100%安全だ、と一瞬でも思える清らかさがあります。お願いもお祈りもしませんが、教会や聖堂に入り、静寂に耳を澄ますことが大きな楽しみです。