ニューメキシコ州サンタフェを訪れた折、セント・フランシス教会に行きました。ここにはアメリカで最も古いとされるマリア像があります。「ラ・コンキスタドーラ」という名称です。スペイン語で「征服者」を意味します。どうして、マリア様にこんな名前が付けられたのかは、ニューメキシコの歴史から知ることができます。
16世紀中頃、スペイン人がニューメキシコにやってきて、植民地化します。このころ、マリア像も一緒にニューメキシコにやってきました。しかし、17世紀になって、「プエブロの反乱」と呼ばれる、もともとその地に住んでいたプエブロ族による反乱がありました。そのとき、マリア像もスペイン人と一緒に非難、つまりその土地を一時離れました。そして17世紀も終わりごろ、スペイン人は逆襲し、再度サンタフェをスペイン人のものとします。そして、勝利したのち、マリア像には「征服者」の名が冠せられ、最終的にサンタフェの教会、セント・フランシス教会に置かれたのです。
実際に目にしたラ・コンキスタドーラのマリア像は、最も古いという割にとても美しく見えました。日本の仏像の「古い」よりかは、ずっと新しいから、当たり前といえば当たり前です。激しい歴史の戦火をくぐってきたようには見えませんが、凛々しいお顔をされていました。
現在は、征服のシンボルではなく、平和を見守る愛のシンボルとして、セント・フランシスにいらっしゃるのです。
事前にこの本で勉強していきました。ラ・コンキスタドーラのマリアについてもくわしいです。ニューメキシコに行くなら、ぜひご一読を。