お掃除ロボットとの格闘。人に仕事を頼むときの心得。

ぼくはずっと、人に仕事を頼むのが下手だったように思います。サラリーマン時代、部下ができても、仕事を任せるということが苦手でした。自分でやるほうが早いから、というのが主な理由でした。それは当たり前で、部下よりも多く経験を積んでいるし、自分にはその仕事を最後までやるとこうなるというイメージがあるし、要領も得ているものだから、早いに決まってます。そこを耐えて、育成する意味も込めて、仕事を任せることが大切ですね。そんなことは昔から言われているのでは百も承知のことなのですが、やはり人に何かを任せるというのは大変むつかしいことだと思います。

中学生のときの国語の先生が、君たちがナスに見えてきた、とおっしゃってました。あれはおそらく、言っても聞かない、しかも何をケタケタ笑っているかもわからない子供たちに対応する策として、先生がたどり着いた方法なんでしょう。ナスだと思えば、理屈で言って聞かせても仕方ない、とあきらめもつくものです。

日々の床掃除に自動床掃除ロボットを使用しています。音が大変うるさいのですが、これがなかなかよく働くロボットで、大変役に立っています。音がうるさいので犬の散歩に出かけているあいだに床掃除の仕事を任せます。帰ってくると、自分で充電ドックに帰っているし、床はきれいになっているし、とても感心します。

たまに、自分が部屋にいるあいだに床掃除ロボットを走らせることがあります。音がどれくらいうるさいかというと、テレビの音が聞こえなくなるくらいです。そして、ロボットの動きに目をやると、案外間抜けなことが判明します。いやいやそっちばっかりやらんとこっちのほうもやってんか、とロボットの首根っこをつかまえて移動させることもしばしば。こんな間抜けなやり方(主に進行ルートですが)で掃除していたのか!と愕然としますが、見ていなければ、結果なかなかに上手く掃除を終えていたのですから、間抜けも何も結果はともなっているわけです。ロボットの考えるにはそのやり方が効率の良い方法だったのかも知れません。

人にもロボットにも仕事を頼むときは、阿呆だ間抜けだと文句ばかり言わず、黙って結果だけを確認するのが得策なのでしょうか。

阿呆言うてやんと寝よ。