歳を重ねるにつれて現れる老眼、難聴、物忘れの意味を考える

水木しげる展

 

40歳を過ぎてくると、いや、早い人なら30代半ばからでも、身体の変化を感じてくることがあります。たとえば、目がしょぼしょぼしたり、ピントの合い方が素早くなくなったり、腰や肩が痛く、重たくなったり、耳が聴こえにくくなったり、脂っこいものをあまり食べたくなくなったり、物忘れがひどくなったり、というようなことです。

 

老化現象だ!などと考えてしまうと、気持ちがブルーになるものですが、これらのことを少し前向きに捉えてみましょう。

 

人間の耳はだんだんと高い周波数の音が聴こえなくなるようです。厳密に言えば、20代と40代では、聴こえ方が違っています。これを前向きに考えますと、もうそんなキンキンした音は聴かなくても良い、ということなのだと思います。老化ではなく、進化、成長により、一定の周波数をカットしてくれるようになるのです。

 

同じように、他のことも考えてみます。
老眼という響きはいかにも老化現象のようで嫌な感じですが、これは、そんなに細かい文字を見なくても良い、ということになります。近くばかり見ずに、遠くを大きく捉えるための進化、成長と言えます。

 

さて、物忘れ。
認知症の入り口のようで、これまたブルーになる現象ではあります。
しかし、これは、そんなにいちいち記憶しなくても良くて、心安らかに日々を過ごすための進化、成長であります。さらに歳を重ねれば、うっかり忘れていたのだけど、はぁ、そうでしたかなぁ、なんて歳による物忘れの振りすらできます。このような方法は、かの水木しげる先生が歳を取ると使えて楽である、とおっしゃっていました。

 

かように考えれば、老などという言葉に惑わされずに、健やかなる進化を楽しんで生きてゆけます。