人によっては、え?まだ手でやってるの、というようなことでしょう。歯磨きの話です。
ぼくたちの生きている世の中は、随分といろいろなものが自動化、電動化されてきました。全自動洗濯機などが代表格です。もしすべてを手洗いしている人がおられたら、これはさすがにぼくも、え?まだ手でやってるの、と言ってしまいそうです。コーヒーメーカーや炊飯器なども、今や自然と生活に溶け込んでいます。
しかし、ぼくにはまだ何となく当たり前と言えない感じのするラインがあります。それが電動歯ブラシです。その他にもこのライン上には、食器洗い機やルンバのようなロボット掃除機も含まれます。
それは、「怠惰である」という感覚がその辺りに存在するからです。だらしない感じがするのです。これまでも、洗濯機が登場した頃にそういう感じを持った人がいたかもしれません。手で洗わないなんて、なんとだらしのない!というような。
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とか何とか言いながら、良い評判につられて電動歯ブラシを買ってしまいました。
くすぐったくてたまりませんが、説明書には「だんだんと慣れてきます」と書いてありました。慣れ、か…。
くすぐったいものの、確かに歯の表面はツルツルになります。そして、ウイーンと動くものを使って歯磨きをするということがうれしくて、歯磨きの時間が楽しくなりました。使い方にはコツが要るようで、使いこなせておらず、仕上げに手で歯ブラシを持って、磨くこともしばしば。まるで、メール送ったよ〜と言って電話している気分です。
そして、まだ少し、「怠惰」を感じながらの歯磨きではあります。