「Slowdance」ステージで刀を振り回す3人

hot buttered pool

 

この曲には明確なストーリーはありません。見い出せばあるかもしれませんが、歌っている本人はそんな感じでは捉えていません。Slow というのはスローライフとかに使われるスローです。結構日本って大変な状況なのに、「はぁ、スローライフってええわぁ」とか「ああ、癒されるわぁ」とか言ってる場合じゃないでしょ、というところから作り始めました。そんな感じで作り始める歌なんて、めったにないというか、この歌しかないので、hot buttered pool の中では特殊な部類です。それでも、「茶人的猫 / ZEN CAT」を作っていたときのぼくたちの状態を示していて、ある意味 hot buttered pool らしさのある曲だと思い、アルバムの1曲目に据えられました。

 

楽曲的にはまず、イントロの電子的なベース音がありました。デデッデデーってやつです。これとドラムがこう絡むという元ネタをドラムのアタ君が持ってきました。デデッデデーがあって、後は自由にギターとドラムが好きに乗っかります。自然と「ドラムが乗っかる」なんて書きましたが、ずいぶん変な表現です。本来はドラムが土台にあって、ベースやギター、鍵盤ものとか歌とかが乗っかって行くものですから。

 

しかし、hot buttered pool においては、ドラムが乗っかるという表現がぴったりな気がします。自由なドラムこそが hot buttered pool だからです。ぼくらがよくやる方法として、きっちり決めない、というものがあります。この slowdance のイントロ、間奏部分、アウトロは80%くらいだけ決めていて、後は自由、です。だから、ライブで演奏するのも楽しい。失敗することもあるけど、その息を合わせるために一緒にやって来ているようなものです。

 

そんなことなので、ライブで3人の息が合った演奏が出来たときは、最高に気持ちいいし、最強のバンドになっていると思います。

 

 

レコーディングされたものなので、変化はないはずですが、聴いていてハラハラできるものに仕上がったと思います。また、ライブで観ていただければ、さらにハラハラを楽しんでいただけるはずです。ステージで3人が日本刀を振り回してフェイント入れながら遊んでいる感じです。勝負しているわけではなく、あくまで遊んでいます。機会があれば、生で観てくださいね。