オリンピアード祝い。

ほんの数十年前まで戦争をしていたということなどさらさら知らず、この世に生まれてきました。そして、物心がついてからも戦争など、遠い昔のことだと、ずっと感じていました。自分が歳を重ねるに連れ、20年前や30年前のことを実体験として語れるようになってきました。そうなってみると、生まれたとき、終戦から25年しか経っていなかったのか、と今になって時間的な距離を近く感じるようになりました。1970年、大阪万国博覧会開催の年に、ぼくは生まれました。

1964年に東京でオリンピックがあって、1970年に大阪で万国博覧会がありました。
子どもの時分、母親が、「オリンピアードいわい」と、よく言っていました。天皇陛下が東京オリンピックでそう言ったということでした。ちょっと昭和天皇のモノマネをしているのか、不思議なイントネーションで言って聞かせてくれました。オリンピアード祝い?なんやその祝いは?せやしオリンピアードって?そもそもオリンピックちゃうんか、とずっと謎のままでした。

2021年、東京オリンピックが開催されました。
これだけのゴタゴタがあるなか、どのような素晴らしい開会式を見せてもらえるのか、とワクワクしていました。内容は、よくわかりませんでした。

しかし!
天皇陛下の開会の宣言に感動しました。
「私はここに、第32回近代オリンピアードを記念する東京大会の開会を宣言します」と宣言されました。本当にオリンピアードなんだ!昔(昭和のむかし)だからオリンピックをオリンピアードなんて表現するのだ、とおぼろげながら考えていましたが、それが誤りであることを知りました。オリンピアードというのは、古代のオリンピア紀元をもとにした4年間を指す、ということも、このたび調べて知りました。

今回は、オリンピアードを祝いとはせず、記念となっていました。

そして、すごく大切な事実を40年ほどの時を経て、知ることとなりました。
「オリンピアードいわい」ではなく、「オリンピアードを祝い」だったんだね、母さん!

阿呆言うてやんと寝よ。